貴方の愛に捕らわれて
 

郷田香織と名乗って、初めて結婚したという実感が、じわじわと湧いてくる。



何だか照れくさくって、つい視線が泳いでしまう。




「祝言は香織さんが卒業してからになる。


それまでは香織さんの学業に差し障りが出ないよう、派手な事は差し控えるからそのつもりで」



そんな私をよそに、龍二さんが次にはなった言葉は、今度こそ仁王像集団の度肝を抜いたようで、室内が一気に騒がしくなった。



「……卒業って、姐さんは大学生…ですか?」



驚く男達を代表して一人が徐に質問をする。



「いや、高三だ」



龍二さんの答えに、動揺が広がり、ざわめきが更に大きくなる。



――組の事はどうするんだ。


――あんな子供に務まるのか。無理じゃないのか。


――対外的には、何て言うんだ。



次々に心配やら否定的な言葉が零れる。


 

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