貴方の愛に捕らわれて
深々と頭を下げる龍二さん。
龍二さんの行動に戸惑っていると、周りからどよめきが上がった。
ハッとして周りをみれば、大勢の不良達が私達を凝視している。
(なんで上杉さんが頭下げてんだ……)
(アイツ誰だよ。アレうちの制服だよな……)
(郷田さんの知り合いか?)
不良達の言葉に、やっと今の状況を理解する。
『あの……、止めて下さい』
きっと龍二さんは、彼らにとって偉い人なんだ。
だから、私なんかに頭を下げて良いはずないんだ。
慌てて、頭を上げてくれるようにお願いしたけど、龍二さんは深々と頭を下げたまま、私に謝り続ける。
「本当に申し訳ありませんでした」
『その事でしたら、気にしていませんから、頭を上げて下さい』