貴方の愛に捕らわれて
周りを見れば、先程よりも増えた野次馬の視線が痛い。
車に乗るのは怖い。かといって周りの視線にも耐え難い。
究極の選択にどうしようかと困っていると
「やはり許して頂けないんですね…
どうすれば許して頂けますか?」
笑顔から一変、悲しげに眉を下げる龍二さん。
『違いますっ!そういう訳じゃないんです』
また深々と頭を下げそうな龍二さんに焦って否定をする。
本当にどうしよう…
相手が龍二さんでなくても、知らない男の人に近寄るなんて無理。
今だって猛さんのお陰で何とか普通にしていられるだけ。
そうじゃなきゃ、緊張のあまり呼吸だって上手く出来ない。