貴方の愛に捕らわれて
ホテルから送ったダンボールの中には、組の皆へのお土産も入っている。



猛さん達の分だけこっちに持ってこればいいか。



お土産を渡すという人生初イベントにウキウキしながら、今そちらに行くので箱はそのままにしておいて下さいと答えて、受話器を戻すと軽やかに階段を駆け下りた。




その勢いのまま、パタパタとスリッパを鳴らして廊下を小走りすれば、びっくりした表情の松野さんがダンボールを抱えて出迎えてくれた。



松野さんの表情を見て冷静さを取り戻した私は、子供じみた自分の行動に頬を赤らめながら、そそくさと箱を開いた。



そして中から猛さん達のお土産を取り出すと、傍らで私の行動を見守る松野さんに『お土産です。皆さんでどうぞ』と勢いよくダンボール箱ごと押し付け、その場から逃走した。



一拍おいて「ありがとうございますっ」と慌てお礼をいう松野さんに、背中越しにヒラヒラと手だけ振ると、そのまま奥の玄関をくぐった。



 

< 434 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop