貴方の愛に捕らわれて
二階にさしかかった所で、帰り支度をした藤野さんにばったり出会った。
丁度良かった。手にしたお土産の中から赤色の包みを『修学旅行のお土産です。よろしければ使って下さい』と手渡す。
藤野さんに買ってきたお土産は、紅型で南国の花をあしらった朱色のエプロン。
一見派手かなと思わなくもないが、ベースになっている朱色が、少しダークがかっていて落ち着いた色合いで、意外と上品な雰囲気のエプロンだと思う。
怪訝そうな表情を浮かべた藤野さんは、どうもと言って包みを受け取ると、夕食の準備は済んでいますからこれで失礼しますと言って、帰っていった。
……ぅん、気持ちいい……
背後からすっぽりと包みこまれる温もりに、言いようもない幸福感を感じながら、トロトロと微睡む。
すると不意にグイッと腰を引き寄せられて、熱い吐息と痺れるような低音ボイスが鼓膜を擽る。