貴方の愛に捕らわれて
冴子さんから、猛さんは私一人のものじゃないって言われた時は、それほど苦しくなかったのに、実際に猛さんの側に冴子さんがいるって分かった途端、こんなに苦しいなんて。
点滴を終える頃には何とか泣き止む事ができたけど、胸の奥に巣くった寂しさだとか、嫉妬といった黒い感情は消えてくれない。
それどころか、どんどん膨れ上がって真っ黒に塗りつぶされてゆくようで、今はとにかく一人になりたくなくて、心配する松野さんに具合が悪くなったら直ぐに連絡をすると約束して、学校へ送ってもらった。
二時間目の途中から登校して来た私に、由香里はおはようと言っただけで、どうして遅刻したのかと聞くことなく、そっとしておしてくれた。それが凄くありがたかった。
一人でいると、心が真っ黒に塗りつぶされそうで怖かったのに、結局、学校にきても授業に集中できず、ずっと黒いものに捕らわれ続けてた。