貴方の愛に捕らわれて
翌朝、看護士さんが朝食を持ってきてくれるのとほぼ同時に、佐武さんが現れた。
早々と現れた佐武さんは、どういう訳だか超過保護になっていた。
食事が口にあわなければ、何でも好きなものを用意してくれるだとか、体を動かすのが辛ければ食事の介助をしますって、私はべつに寝たきりの病人じゃないんですけど。
頬がひきつりそうになりながらも、曖昧に笑って丁重にお断りすれば、今度は何故か病室の隅っこ椅子を持っていって座る佐武さん。
唖然としてその行動を見つめていると、今日は一日中姐さんの側に控えておりますので、何かあったら遠慮なく言って下さいって……
落ち着かないんですけど。
佐武さんだって忙しいだろし特に用事もないから、私なら一人で大丈夫ですよって遠回しに付き添いを断ってみたものの、姐さんの側に控えているのが私の仕事ですから気にしないで下さいと、キッパリと断られてしまった。
その後、何となく気まずい空気の中、佐武さんが持ってきてくれた読みかけの小説を読んで担当医の診察まで時間をつぶした訳だけど、佐武さんが気になってしまって、本の内容なんて全く頭に入ってこなかった。