◇白黒恋争物語◆~運命の翼~
「棗。・・・元気?」
「怜汰・・・」
「お母さんお茶用意してくるわね」
「いえ。ホントにおかまいなく」
「マジでこっちからきたんで、おかまいなく」
「いいのよ。棗のためにせっかくきてくれたんだから。お茶くらい」
「すいません」
「ありがとうございます」
と言ってお母さんは1階に下りていった。
「何だよ。メッチャ元気そうじゃん。だったら学校来いよ」
「はぁ!?領汰が・・言ってくれたんでしょ・・・。休んでくれって・・」
「まぁ。一応気を使っただけだ」
「やっぱ悪魔だな」
「あ゛??」
何でまた喧嘩モードになるんだろう・・・。
こんな時くらい素直になりたいのに・・・。
やっぱり領汰が悪いんだよね。
私につっかかった言い方するんだもん。
・・・あ。
こんなこと思ってる私の方が悪いのか・・・。
「今日はもうそのへんにするんだな」
怜汰が間を入ってくれた。
そしてゆっくりとベットの私の前に腰を下ろし手を優しく握った。
「ごめんな・・・・。俺、棗のこと助けられなくて・・」
「何言ってるの怜汰。連絡も何も出来なかったんだし、気づかなくて当たり前だよ。その気持ちだけで嬉しい」
「・・・ホントごめん・・」
「怜汰。自分を責めんのもそこまでにしろ。逆に棗を追い詰めてんぞ」
「領汰・・・」
何で。何でそこで優しいの。
言って欲しいとこでスッと言葉を出してくれるとこ・・・
す・・・
「まぁ、あのままほっといてもよかったんだけど」
・・・す・・・・
好きじゃない。