記憶の桜 -花空残夢-


「いえ、貴方が局長なのには変わりはありません」




近藤さんが亡くなった今、副長だった彼が局長になるのは当然の事だ。




それでも、土方さんは局長と呼ばれるのが不安らしい。




彼にとって、局長はあの人だけだから――。




「相変わらず、堅いな。お前は」




土方さんは小さく笑いながら、溜息を吐いた。




そんな彼の反応に斎藤さんも小さく笑った。




何か、京に居た時みたい…。





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