記憶の桜 -花空残夢-


すると、土方さんはゆっくり目を開けた。




「涼…、怪…我…無い…か?」




土方さんは私の頬に触れた。




「私は大丈夫です…っ!」




「良かっ…た…。お前…に…、怪我が…無…く…て…」




頬に触れていた彼の手から不意に力が抜けた。




目も再び閉じてしまう。




「土方さんッ!?」




私は怪我の止血を試みた。




傷口に手拭いを当てても、すぐにそれは赤く染まって行く。




血が止まらない…。






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