蒼色キャンディ
「そうだ、君の………天使君の名前も教えて?」

「あ……」

奏の言葉に彼は俯く。
奏は不思議そうに彼を見た。


「どうしたの…?」
「ごめんなさい…僕、下級天使だから名前なんてないんです……」


その言葉に奏は思った。






……天使に位ってあるものなの!?





「えっと…ランクって…どんな?」

「あぁ、はい説明しますと…ランクは上から、SS・S・A・AB・B・C・D・Eと八段階あります…僕は…その、Eランクの天使で…名前がもらえるのは…Aより上の方だけなんです…」

彼は悲しそうに言った。


「僕を拾ってくれた方には名前があります。でもまだ僕にはないので…その人を困らせてばかりなんです……」

「………なら、つけてあげる」


奏の言葉に天使は目を丸くする。

「僕に…名前を……?」
「そう!!こっちにいる間だけかもしれないけど……私が貴方に名前をつけてあげる!何がいいかな………」


奏は少し考え込む。
彼も反論はしなかった。


こんなにも嬉しいのは彼にとって二度目の事だったから。





『君は、僕の大切な家族だよ』





ふいに声が聞こえた気がした。

優しい。あの人の声が……


「そうだ!」


何か思い付いたのか、奏は振り返る。
そして言った。


「エイメル!エイメルがいいわ!!」
「エ…イメル…?」

彼が繰り返し、奏がもう一度言う。

「そう!貴方の名前はエイメル」
「エイメル……ありがとう!奏さ……」
「奏、でいいよ!エイメルは私の天使なんでしょ?」



奏の言葉にエイメルは笑顔で返した。


「うん!ありがとう奏!」










これが私とエイメルの初めての出会い。



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