彼の瞳に捕まりました!
「あの、浅川社長」
「何?」
「今日はきちんとお話をと思ってきました」
誰かに思われて、その誰かの思いを断ち切る事。
そんな体験をした事は今までほとんどない。
ドキドキとする胸にそっと手を置いて、口を開く。
そんな私に、社長が嬉しそうな笑顔で話し出した。
「ありがとう」
「え?」
「仕事途中でここまで来てくれる位、僕の事を思ってくれている。
それは、僕の都合のいいように解釈してもいいって事だろう?」
悪戯っ子の様な笑みを浮かべ社長は立ち上がると私の腕をとって立ち上がらせた。
「部屋をとってある。無駄にならなくて良かった」
「社長……あのっ、違っ……」
引っ張られるように社長の後を着いて行きながら、否定の言葉を発する。
けれどその声は、彼の耳には届かない。
タイミングよくやって来たエレベーターに押し込まれ、壁に背中を押し付けられた。
慣れた手つきで顎をしゃくられると、唇が重なった。
間髪入れずに侵入して来る舌。
その舌を追いやろうとして出した舌を絡め取られた。
「んっふっ……」
鼻から抜ける声に頭が冴える。
けれど、私を壁に押し付ける社長の身体はびくともしない。
胸元を叩く私の両手を彼は片手で纏めると、動けないように私の胸に押し付けた。