彼の瞳に捕まりました!


「説得してほしいって……そう言われた」

「……」

「高瀬がね、高瀬が、もし望むなら……」

「望むなら?」

挑むような眼差し。
その視線から逃げるように俯いた。

「……望むなら……」

言葉が続かない。

望むなら行ってほしい。

その一言が出てこない。

高瀬と離れることを、私は望んでいないから……

きちんと自分の気持ち、伝えていないのに―――

「わ、私……」

「……」

「私、は……」

「なんだよ?」

まっすぐに私を見つめたままの高瀬に視線を合わせ、大きく息を吐いた。

言わなくっちゃ。
言うなら、今しかない。

「私ね―――」
「行成さーん」

意を決した私の声に重なるように、
甘い声がと扉をノックする音が響いた。



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