彼の瞳に捕まりました!
「……チッ」
高瀬は小さく舌打ちをすると、扉の方に向かった。
解錠の音と同時に開かれる扉。
そして、
「行成さん。小此木さんから預かってきました~」
甲高い声のサトコちゃんが、中に飛び込んできた。
「……そこおいといて」
冷たくそう言って、高瀬は作業台へと戻る。
そんな高瀬に怯むことなく、
「行成さん、冷たい―――」
文句を言いながら頬を膨らませたサトコちゃんが私の脇に立つと、にこりと笑った。
「先輩も、行成さんに何か用があったんですか?」
「あ、うん。
高瀬、大至急だって編集長言ってたから」
「あぁ」
私を見る事もなく返事をした高瀬に、
「よろしくね」
とだけ声をかけてその場を後にした。