彼の瞳に捕まりました!
「心外だなあ。
ちゃんと慰めてあげますよ。
身体で」
そう言いながら、高瀬にすり寄るサトコちゃんが浮かんだ。
高瀬の首に腕を回して……
耳元に唇を寄せて……
そんな光景が思い描かれて、思わず扉を叩いた。
「高瀬、開けて」
悲鳴みたいな声を出しながら、扉を何度も叩いた。
「ナホ?」
少しだけ慌てたように扉を開けた高瀬。
そんな彼に、焦った声をあげた。
「げ、原稿……」
「原稿?」
繰り返した高瀬に頷くと、作業台を指差した。
「高瀬にって、預かったのと一緒になってると思う」
「あぁ」
作業台へ向き直った彼は、私の腕を掴み部屋の奥へと進んだ。
「麻生先輩。原稿忘れるなんて、編集として失格じゃないですか?」
意地悪な笑みを浮かべたサトコちゃんを黙って見つめた。