彼の瞳に捕まりました!


「そんなんじゃ、また同じ結果になるぞ?」

写真の入っているファイルで、私の頭を軽く叩きながら、高瀬はクスクスと笑った。

「……以後、気を付けます」

何も言い返す事が出来なくて、そう返事をすると、彼は私の顔を覗きこんだ。

「今夜……」

「へ?」

「メシ。食いに行くぞ」

「え?」

「さっさと直せよ。それ」

ぎゅっと握られている原稿を指差しながら、高瀬はそう言うと背中を押した。

「遅刻したら、奢りな」

「高瀬?」

「話があるんじゃないのか?」

マジメな顔で高瀬はそれだけ言って、暗室のドアを開けた。

「しっかり話せよ」

言葉と共に押し出される身体。
慌てて振り向いた時には、もうドアは閉まっていて、

「高、瀬……」

呟いた声は高瀬には届く事はなかった。





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