彼の瞳に捕まりました!


「私に説得なんて出来ないのに。
私、行かないでって、言っちゃうもん」

高瀬は吸っていたタバコを灰皿に押し付けると、私に視線を向けた。

「行かないでって、言っちゃう。
説得しなきゃいけないのに……
行かないでって、言っちゃう
ダメなのに。
それじゃダメなのに……」

ポツリポツリ囁く様に話す私に、高瀬は私の前に置かれたビールを飲み干した。

「しなきゃ、いいだろ」

呆れた声。
その声に肩を小さくした。

「大沢さんに言われたら、お前はなんでもするのかよ?」

怒ったような声音に、ビクッと身体が震えた。

「だって、夢だって……
世界中を写真におさめるのが、行成の夢だって……
だから、だから」


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