彼の瞳に捕まりました!
柔らかい感触と、暖かい空間。
寝心地の良い、程よく硬いお布団。
ドアの向こうの方からは、コーヒーの芳しい匂いが漂ってくるように感じて、ゆっくりと目が開いた。
「んー良く寝たぁ……ててっ」
ズキズキと頭が痛む。
「てててっ…やっぱり飲み慣れないもの飲むなって事だよね」
起き上がり、いつも通りに身体を捻り、ベッドから降りようと足をだした。
トンッ
「へ?」
足を伸ばそうとしても、有るはずのない壁に阻まれる。
状況がよく理解出来なくて、ぐるっと部屋を見渡して、
言葉を失った。
「こ、ここ、ここって」
どこ?
見知らぬ場所に、心臓がバクバクと音を立てはじめた。
ダークブラウンを基調とした部屋。
今、私がいるベッドと小さな本棚しか置かれていない、とてもシンプルな部屋。
ゆっくりとベッドから降りると、光を遮断するカーテンに手をかけて、外を覗こうとした。
「起きたのか?」
突然聞こえた声に、身体がビクッと固まった。
カーテンから離れ、振り返ると、思い切り迷惑そうな顔をした高瀬がドアから身体半分を見せた状態でこちらを見つめていた。
「た、高瀬っ?」
「起きたのか?」
先程と全く同じ言葉に、慌てて頷く。
そんな私の元に、彼はやって来ると大袈裟にため息をついた。