彼の瞳に捕まりました!


どのくらい経ったのか、数分?
もしかしたら、ほんの数秒の間の事かも知れない。

高瀬のキスに、翻弄された。

ちゅっ……とわざとらしいリップ音を立てて、高瀬の温もりが離れる。

「っ、はぁっはっ」

肩で息をしているのが、なぜだか悔しい。

高瀬に、
高瀬とは―――

もうこんなふうに関わりたくない。

そう思っていたのに……

「キスは久しぶり?」

馬鹿にしたような声、その言葉に、私に跨がったまま、ニヤニヤと笑う高瀬を睨んだ。

「馬鹿にしないでっ……」

「相変わらず下手くそだなってさ」

私の唇を、高瀬の指がそっとなぞる。
ゴツゴツとしたような感じなのに、繊細に触れる。
その指先から伝わる熱に、心臓がドクリと動いた。

「図星か?」

ニヤリと意地の悪い顔で高瀬が笑う。

「ち、違うしっ」

そう叫んだものの、本当の事を指摘されて、語尾が弱くなった。

「教えてやろうか?」

「へ?」

目の前で、悔しくなるくらいに魅惑的な笑顔を見せる高瀬。

そんな彼から目が離せない……

「目、閉じろよ」

艶っぽい声に、顔を背けると、耳のふちをなぞるように、生暖かい感触が触れた。

「んあぁ」

思わず出た声に、びくりとすると、

「身体は素直なのな」

からかう様に、呟きながら、そのまま耳たぶを甘噛みしては、首筋に優しく唇を落とした。


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