彼の瞳に捕まりました!


脳内で繰り返される、社長の言葉。

――あなたの気を引きたかった

どんなに鈍感な人間でも分かるであろう、ストレートな言葉。

自分がそんな風に思われていたなんて思いもしていなかった。


思うこと自体、不自然だ

社長と会ったのは
先日のあさかわの取材。
たった一回、それ以外で会った事はない。

社長は、私の何を見て、何を知って、
そんな風に思うようになったのだろう……?

たった一度だけ
その一度だけで、気を引きたいと思うようになるのだろうか?

私は……
私はそんな風に思われる様な人間ではない。

それだけはわかっている。

だから、尚更
社長の言葉が耳から離れない。

こんなんじゃダメなのに……

こんなんだから、いつまでたっても、高瀬に勝てないんだ。


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