ヴァンパイアヒューマン−桜−


『あの子供はこの森に住む“妖精”だ。純粋な心を持つ者にしかアイツらの姿は見えん』


バダックは説明した。


『よ、妖精!?』


3人は口を揃えて驚いた。


『気まぐれな奴らで、なかなか姿を見せないんだが…姿を見せたって事は、お嬢さんの事が気に入ったのかもな』


バダックは笑って言った。


『バダック殿、もう一度尋ねますがジャックは本当にここに来ていないんですよね?』


ラッセルが話を戻し、もう一度バダックに尋ねた。


『ああ、来ていない。本当だ。さあ、もう用は済んだだろう。もう帰ってくれ。ここにいる小鳥たちは人に慣れていない。お前たちがいると小鳥たちが落ち着けない』


バダックはそう言いながら、一羽の小鳥を掌に乗せた。


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