ヴァンパイアヒューマン−桜−
『あっ!!』
ミーナはその手に気づき、瓦礫を力いっぱいどかした。
ジャックも瓦礫を力いっぱいどかした。
どけられた瓦礫の中から、ボロボロになったマザードルモが姿を見せた。
『マザードルモ!!しっかりして!!ねぇ、マザードルモ!!』
ミーナは倒れているマザードルモの上半身を起こした。
『ミ…ミーナ様…ご、無事で…何よりです…』
マザードルモは精一杯の力で喋った。
『一体…誰が街をこんな風に…』
ミーナがそう言うと、マザードルモは震える口を開いた。
『よくわかりませんが…突如ゾンビみたいな奴らが攻めて来て…街は一瞬で…この有様です…。ミーナ様…最期にミーナ様に会えて良かったです…』
マザードルモはそれだけ告げ、ついに力尽きた。