ヴァンパイアヒューマン−桜−
『マザードルモ…』
ミーナは傷だらけのマザードルモの手を握りしめ、たくさんの涙を流した。
『ミーナ様…行きましょう』
ジャックをミーナの体をそっと起こし、泣き崩れているミーナを立たせた。
ミーナはよろめきながら立ち上がり、ジャックに手を引っ張られながら歩き出した。
二人が王国の入口までやってくると、王宮の剣士長であり、ジャックの父でもあるバロンが立っていた。
『バ、バロン!!あなたは無事だったのね!!』
ミーナとジャックはバロンの姿を見つけるなり駆け寄った。
『ミーナ様もご無事で何よりです』
バロンは片膝を地面につきミーナに敬礼をした。