ヴァンパイアヒューマン−桜−


『グスン…グスン…』


ウェーブのかかった金髪で、白いワンピースを来た一人の少女が、泣きながら桜の木の下に座り込んだ。


『どうして…どうしてみんなあたしをイジメるの…どうしてあたしを怖がるの…グスン』


少女がそう涙を流していると、一匹のノラの白い小犬が少女に歩み寄ってきた。


『クゥン…クゥン…』


小犬は少女の頬をつたう涙を舌でペロペロと舐めた。


『えっ…』


少女はそんな小犬に気付いた。


『君はあたしが怖くないの?』


少女は涙を拭いながら小犬に尋ねた。


すると、小犬は舌を出し可愛いげにシッポを振った。



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