ヴァンパイアヒューマン−桜−


『ヴィルグロース!!』


バロンは気合いを入れながら立ち上がり、剣を構えた。


『まだやる気ですか?』


ヴィルグロースはバロン睨みつけた。


『私の命に代えても、この二人だけは絶対に守って見せる!!絶対に!!』


バロンはそう叫び、自分の命をかけヴィルグロースに向かって捨て身で突っ込んだ。


ヴィルグロースはそのバロンのあまりの気迫に圧され、その場を動けずバロンの剣がヴィルグロースの体を切り裂いた。


『ぐぁ!!…き、貴様!!』


切り裂かれたヴィルグロースは、鋭く長い爪でバロンの心臓を突き刺した。


『くっ…さらばだ…我が息子ジャック…生き…ろ…』


バロンは口から血を吐き、その場に倒れた。


『くっ…さすがに傷が大きい。すぐには回復出来ぬか…くそっ!!』


ヴィルグロースは黒い闇のモヤの中に姿を消した。



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