ヴァンパイアヒューマン−桜−
『し、しかし…』
ラッセルがそう言いかけると、ハートがラッセルの口を塞いだ。
『ミーナ様なら大丈夫だから…。あたしはミーナ様を信じてるから…。それより、この大群を相手にするラッセルのがあたしは心配なんだから…。一人でカッコつけないでよ、バカ』
ハートはそう言って、ラッセルの肩を叩いた。
『ふんっ、お前に心配されてるようじゃ、俺もまだまだだな。ハート、足手まといにはなるなよ』
ラッセルはそう言って笑いかけた。
『よしっ!!やるかっ!!』
ラッセルの目つきが変わった。
『そうね』
ハートの目つきも変わった。
『うおぉぉ!!』
ラッセルは大声を上げて気合いを入れ、向かってくる盗賊たちに向かって行った。