ヴァンパイアヒューマン−桜−


その頃、ラッセルたちは…


『ハァ…ハァ…』


ラッセルはこんぼうを握りしめながら、息を切らした。


『だ、大丈夫…ラッセル?ハァ…ハァ…』


ハートも息を切らし、しんどそうだった。


『やっぱ無謀過ぎたかな…。か、数が…数が多過ぎる…ハァ…ハァ…』


ラッセルはそう言って、よろめいていた。


『もう限界のようだな。よし、そろそろ取っ捕まえろ!!』


バゼルの手下の一人がそう叫ぶと、大勢の仲間の盗賊たちが疲れ切っているラッセルとハートに一斉に飛び掛かった。


『後で…後で会おうってミーナ様と約束したんだ…だから負けてたまるか!!』


ラッセルは残りの力を振り絞り、飛び掛かって来る盗賊たちに抵抗した。



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