ヴァンパイアヒューマン−桜−


『クッククク、助ける必要なんてないですよ』


ふと天井の方からそんな声がした。


『こ、この声は…』


ミーナは天井から聞こえたその声に気付いた。


すると突然目の前に黒い光が現れ、その黒い光が消えると同時にヴィルグロースが姿を現した。


『やっぱり、さっきの声は…ヴィルグロース…』


ミーナはヴィルグロースの方を見た。


『ヒューマンは全て根絶やしにするのだ』


ヴィルグロースはそう言って、長い爪でバゼルを切り裂いた。


『がはっ!!』


バゼルの体からは血が噴き出し、バゼルは地面に倒れた。


ヴィルグロースは自らの爪についたバゼルの血を舌で舐めた。



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