ヴァンパイアヒューマン−桜−


しかし、ジャックは何も反応をしめさなかった。


『彼は凄いですね。普通、私が血を吸えば弱きヒューマンなどゾンビになるものですが…彼は精神的に強いのか…はたまた何かしらの思いや意志が強いのか…完全なゾンビにならなかったとは驚きですよ、クッククク』


ヴィルグロースはそう言って、不敵な笑みを浮かべた。


『ジャック…』


ミーナは目に涙を浮かべながらジャックを見た。


『さあ、ジャック。自らがつかえていた王女を、その手で斬ってしまいなさい!!』


ヴィルグロースがそう言うと、ジャックはミーナに歩み寄り黒い長い剣を構えた。


そしてジャックは剣を振り上げた。



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