ヴァンパイアヒューマン−桜−

『ジャック!?どうしたの？』


ミーナはジャックの方に振り返り、ジャックの発したその言葉に戸惑っていた。


『ミーナ様。私は父の…この国の敵討ちをしにヴィルグロースの所へ行って参ります。このままヴァンパイアの好き放題になど…奴らを野放しになど出来ません』


ジャックはそう言って力強く頷きを見せた。


『ヴィルグロースの元へ行くって…一人で行く気なの？一人だなんて無謀だわ。あたしも一緒に…』


ミーナがそう言いかけると、ジャックは顔を横に振った。


『ミーナ様。あなたはこの国の王女です。王がいなくなった今、あなたがこの国を再建しなければなりません。この国は国民にとって大切な国です。このままこの国を滅ぼしたくはありません。だからミーナ様が王に代わってこの国を…よろしくお願いします』


ジャックはミーナの目を真剣に見つめて言った。