ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ミーナ様。もし…もし私がヴィルグロースを倒し、無事に生きて帰ってきたその時は…ミーナ様、私と…私と結婚して下さい』
ジャックはそう言って、しばらくミーナをじっと見つめた。
『ジャ、ジャック…』
ミーナはジャックの突然の言葉に何も言葉が出なかった。
『では、ミーナ様。お元気で…』
ジャックは笑顔でそれだけ告げ、足早にミーナの前から去って行った。
ミーナはジャックの突然の告白に、ただただ呆然と立ち尽くし、ジャックの背中を見届けるしかなかった。
そして、ミーナはしばらくジャックの立ち去った方角を見つめていた。
『ミーナ様!!』
ミーナの背後から突然に声がし、ミーナは振り返った。
『ラッセルにハート…二人とも無事だったのね』
ミーナは無事だった二人を見て、目に涙を浮かべた。