ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ヴァンパイア一匹足りとも逃がしていないだろうな?バダック』
ゾズマは不敵な笑みを浮かべながらバダックに尋ねた。
『大丈夫だ。トライバスタンの剣士長・スティングと何百の兵で厳重に村を取り囲んだんだ。逃げようがない、きっと』
バダックはそう言って、辺りを見回した。
『そうか、なら良かったぜ。じゃあ、霧刻の谷に霧が戻るのも時間の問題だ…戻るとするか』
ゾズマはそう言って、その場を立ち去った。
『立派な木だなぁ…この木は桜の木か?雄大に咲いている所を見たかったなぁ…』
ハクはそう言って、桜の木を一度見上げてから、その場を立ち去ろうとした。