ヴァンパイアヒューマン−桜−
『なあ、ハクさん…』
バダックは立ち去ろうとするハクに声をかけた。
『何だ?』
ハクは不思議そうな表情を見せた。
『本当に…本当にこれで良かったのかな!?本当に俺たちがヴァンパイアを根絶やしにしたことは、間違ってなんかないんだよな?』
バダックはそう言って、ヴァンパイアの返り血がついた自らの手の平を見つめた。
『今更、何を言ってるんだ。間違ってなどいない。ヴァンパイアはヒューマンの敵なんだ。あの恐ろしいパワーを野放しになどにしておいたら、いつか我々が滅びることになるんだぞ!!』
ハクは力強くそう言った。
『ヴァンパイアたちは抵抗もせずに、まるで俺たちに殺される事を受け入れているようだった…それがどうも引っ掛かる…』
バダックは悩みながら告げた。