ヴァンパイアヒューマン−桜−
『相変わらず、ミーナ様はこの場所が好きなんですね』
丘の上にいるミーナに、突然に背後から誰かが話しかけてきた。
『その声は…ジャックね。ここにいると凄く落ち着くのよね』
ミーナがそう言いながら背後を振り返ると、黒い長い髪をした長身の男ジャックが立っていた。
ジャック…王国を守る剣士集団の王宮の剣士長バロンの息子。剣技の才能はピカイチで、ミーナとは幼なじみでもある。
『ジャック、あなたもこの場所が好きでしょ?よく昔からいつも一緒にここに来てたから…』
ミーナはそう言って笑いかけた。
『そうですね、私もここは好きですね』
ジャックも笑いかけた。