悪魔に飼われた天使
「ですが…」
「聞こえたか?結構だと言ったのだ。」
鋭い瞳を向けられ、その冷たさにゾクッと背中を震わせる。
だが、ここで怯むわけにはいかない。
「キース様のご命令ですので」
キース?
魔界の王のことか?
「一口でもお召し上がり下さい。」
そう言われチラリと料理をみる。
見た目も香りも美味しそうだが、食べる気にはならない。
少しでも早く死にたいと思う女に、食事という選択肢はなかった。
食べる気配のない女に、セトは困惑を浮かべる。