悪魔に飼われた天使
あまりにも衝撃的な事実に、男は内心穏やかではなかったが、
顔には出さなかった。
「私は堕とし物を拾った。
今日から堕とし物は私の物だ。
お前を飼う。」
グイッと堕天使の顎を持ち上げ、顔を鼻と鼻が付くほどに近付ける。
パシンッ
乾いた音が部屋に響いたかと思うと、
男の顔は僅かに右を向き、
堕天使の右手は、初めて感じる痛みに手を握りしめていた。
「無礼者。
私に触れるな。」
怒鳴らず、さっきよりもずっと低い声を響かせる。
「お前をどうしようと、主である私の勝手だと思うが?」
黒い瞳を青い瞳に合わせると、鋭く黒い瞳を睨み続けていた。