魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
訝しむマンドラゴラの前で酒肴が開催された。
デスがボトルのコルクの栓を抜くと、何とも言えない強烈なアルコール臭が辺りに漂い、その香りだけで酔う者も居るのにコハクとデスは平気な顔をして回し飲みを始めた。
「こんだけマンドラゴラがあったら一体何人不死になれるんだよ」
「………調合…難しい……」
「へえ、じゃあ不死の魔法に失敗したらこいつらで試してみっか」
「…俺を抜いたら叫ぶぞ。絶叫するぞ。やめておいた方がいい」
当のマンドラゴラから警告を受けたが、酒の香りに興味を引かれているのか、若いマンドラゴラはしきりに鼻を鳴らして香りを嗅いでいた。
周囲のマンドラゴラはコハクたちに目をつけられたくないので土から出て来なかったが、コハクが目をつけた若いマンドラゴラはどうやら好奇心が旺盛らしい。
「だーかーらー、俺らは死なねえって。俺の可愛い可愛い天使ちゃんを残して死ねるかよ。冬にはベビーも生まれてくるし、俺の人生バラ色!」
「……俺も…抱っこしたい…」
「おう、それ位は許してやる。ちっきしょ、もう1本買ってくるんだったな」
回し飲みをしていた酒はあっという間に半分ほど無くなってしまい、若いマンドラゴラは怖ず怖ずと根っ子のような細い腕を伸ばしてコハクに訴えかけてきた。
「俺にも…それをくれ。いい匂いがする。飲んでみたい」
「ああ?…まあいっか、ほらよ」
赤い液体の入ったボトルを若いマンドラゴラの前に置くと、よせばいいのにコハクたちと同じように一気に呷って飲んでしまい…卒倒。
ぽてんと身体を逸らして後方に倒れ込んでしまった若いマンドラゴラは幸せそうな顔で眠っており、コハクとデスはまたにやりと笑うと青々と茂る葉に手をかけた。
「あっち行ってていいぞ。一応危険だからさ」
「………ここに居る」
「じゃあ耳塞いでろ」
それには素直に従って両耳に手をあてたのを確認したコハクは、一気に若いマンドラゴラを引き抜いた。
…身の毛もよだつ絶叫をするとされていたマンドラゴラは、土から引き抜かれても幸せそうな顔で眠っている。
彼らはこの機を狙っていたのだ。
「で?どの位切ればいいんだ?」
「……根っ子の方。ちょっとだけでいい…。すぐ…再生する…と思う……」
「ふむふむ」
実験好きの魔王の瞳が輝いた。
デスがボトルのコルクの栓を抜くと、何とも言えない強烈なアルコール臭が辺りに漂い、その香りだけで酔う者も居るのにコハクとデスは平気な顔をして回し飲みを始めた。
「こんだけマンドラゴラがあったら一体何人不死になれるんだよ」
「………調合…難しい……」
「へえ、じゃあ不死の魔法に失敗したらこいつらで試してみっか」
「…俺を抜いたら叫ぶぞ。絶叫するぞ。やめておいた方がいい」
当のマンドラゴラから警告を受けたが、酒の香りに興味を引かれているのか、若いマンドラゴラはしきりに鼻を鳴らして香りを嗅いでいた。
周囲のマンドラゴラはコハクたちに目をつけられたくないので土から出て来なかったが、コハクが目をつけた若いマンドラゴラはどうやら好奇心が旺盛らしい。
「だーかーらー、俺らは死なねえって。俺の可愛い可愛い天使ちゃんを残して死ねるかよ。冬にはベビーも生まれてくるし、俺の人生バラ色!」
「……俺も…抱っこしたい…」
「おう、それ位は許してやる。ちっきしょ、もう1本買ってくるんだったな」
回し飲みをしていた酒はあっという間に半分ほど無くなってしまい、若いマンドラゴラは怖ず怖ずと根っ子のような細い腕を伸ばしてコハクに訴えかけてきた。
「俺にも…それをくれ。いい匂いがする。飲んでみたい」
「ああ?…まあいっか、ほらよ」
赤い液体の入ったボトルを若いマンドラゴラの前に置くと、よせばいいのにコハクたちと同じように一気に呷って飲んでしまい…卒倒。
ぽてんと身体を逸らして後方に倒れ込んでしまった若いマンドラゴラは幸せそうな顔で眠っており、コハクとデスはまたにやりと笑うと青々と茂る葉に手をかけた。
「あっち行ってていいぞ。一応危険だからさ」
「………ここに居る」
「じゃあ耳塞いでろ」
それには素直に従って両耳に手をあてたのを確認したコハクは、一気に若いマンドラゴラを引き抜いた。
…身の毛もよだつ絶叫をするとされていたマンドラゴラは、土から引き抜かれても幸せそうな顔で眠っている。
彼らはこの機を狙っていたのだ。
「で?どの位切ればいいんだ?」
「……根っ子の方。ちょっとだけでいい…。すぐ…再生する…と思う……」
「ふむふむ」
実験好きの魔王の瞳が輝いた。