魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ティアラは部屋の戸締りに余念がなかった。
あのフォーンと一夜を過ごす位ならば、今すぐバルコニーから飛び降りる覚悟はできている。
…自分自身に暗示をかければ結婚に耐えられると思っていたけれど…
「お母様…私…駄目です…。できない…!リロイが好きなの…!」
力なくソファに座ってうなだれていると、誰かがドアをノックした。
一気に緊張が高まったティアラは瞬きも忘れてドアに見入り、ゆっくり立ち上がってドアに近づくと、耳を澄ました。
「…誰…?」
「僕です。ティアラ…ここを開けて下さい」
ほっとしてドアを開くと、もうずっと忘れられない男が優しい笑みを浮かべて部屋の中を指した。
「中へ入ってもいいですか?」
「ええ…どうぞ」
さっき別れたばかりなのにまたリロイが戻って来たので首を傾げていると、リロイは部屋の中央に立って振り返った。
…その表情にどきっとしたティアラは立ちすくみ、指を組み合わせてそわそわと動かした。
「どうしたんですか?」
「さっきラスから命令を受けました。あなたを守るように、と。これから僕はあなたから片時も離れずに傍に居ます。あなたを煩わせるものは全て排除します。これからあなたが結婚式を迎えるまでずっと、僕が一緒です」
「…!そんな…困ります!だってあなたは…私は…」
「ラスを責めないで。…申し訳ありません、僕がラスにそう命令するように仕向けたんです。僕は白騎士だからラスの命令には背きません。ティアラ…あなたの顔がまた笑顔で溢れる日々を送ってもらえるように努力します。これから毎日僕もここで寝泊まりをします。お許しを」
――嬉しさで涙が出そうになった。
これは神が与えてくれたのだと感じた。
絶望の日々を送る前に希望を与えてくれたのだ、と。
「リロイ…!」
「…指1本触れさせない。あなたがそれを望むなら、そうします。ああ、僕はソファーで寝るので気にしないで下さい」
小さなウィンクをしたリロイと笑い合い、ティアラは怖ず怖ずとリロイのシャツの袖を握った。
「私…ぎりぎりまであなたと居たい。ありがとう、リロイ…」
「ずっと僕の傍に居てくれたのはあなただ。これからは僕が傍に居ます」
心が、寄り添う。
あのフォーンと一夜を過ごす位ならば、今すぐバルコニーから飛び降りる覚悟はできている。
…自分自身に暗示をかければ結婚に耐えられると思っていたけれど…
「お母様…私…駄目です…。できない…!リロイが好きなの…!」
力なくソファに座ってうなだれていると、誰かがドアをノックした。
一気に緊張が高まったティアラは瞬きも忘れてドアに見入り、ゆっくり立ち上がってドアに近づくと、耳を澄ました。
「…誰…?」
「僕です。ティアラ…ここを開けて下さい」
ほっとしてドアを開くと、もうずっと忘れられない男が優しい笑みを浮かべて部屋の中を指した。
「中へ入ってもいいですか?」
「ええ…どうぞ」
さっき別れたばかりなのにまたリロイが戻って来たので首を傾げていると、リロイは部屋の中央に立って振り返った。
…その表情にどきっとしたティアラは立ちすくみ、指を組み合わせてそわそわと動かした。
「どうしたんですか?」
「さっきラスから命令を受けました。あなたを守るように、と。これから僕はあなたから片時も離れずに傍に居ます。あなたを煩わせるものは全て排除します。これからあなたが結婚式を迎えるまでずっと、僕が一緒です」
「…!そんな…困ります!だってあなたは…私は…」
「ラスを責めないで。…申し訳ありません、僕がラスにそう命令するように仕向けたんです。僕は白騎士だからラスの命令には背きません。ティアラ…あなたの顔がまた笑顔で溢れる日々を送ってもらえるように努力します。これから毎日僕もここで寝泊まりをします。お許しを」
――嬉しさで涙が出そうになった。
これは神が与えてくれたのだと感じた。
絶望の日々を送る前に希望を与えてくれたのだ、と。
「リロイ…!」
「…指1本触れさせない。あなたがそれを望むなら、そうします。ああ、僕はソファーで寝るので気にしないで下さい」
小さなウィンクをしたリロイと笑い合い、ティアラは怖ず怖ずとリロイのシャツの袖を握った。
「私…ぎりぎりまであなたと居たい。ありがとう、リロイ…」
「ずっと僕の傍に居てくれたのはあなただ。これからは僕が傍に居ます」
心が、寄り添う。