魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
部屋に戻ったラスは、たったひとつのくしゃみをしただけでマフラーやらガウンやら膝にブランケットをかけられたりでがんじがらめにされてソファに座り、ホットミルクを飲まされた。
「大げさだよコー」
「そんなことねえよ!ちょっとでも体調がおかしかったらすぐ言えよ?な?」
「うん、ありがと」
にこーっと笑っているとドアをノックする小さな音がした後開き、いつも以上に真面目な顔をしたリロイが立っていた。
「リロイ?どうしたの?」
「ラス…僕に何か命令することはない?」
「命令?」
意味がわからずにきょとんとしていると、ラフな服に着替えたリロイはラスの前で片膝を折ると望みを懸けるような瞳でラスを見つめた。
「僕はまだ白騎士の立場だから、ゴールドストーン王国の王女の君の命令ならなんでも聴くよ。…僕になにかできることは?命令はない?」
じっと金色の瞳を見つめていると、その瞳の中に自分ではない王女の顔が見えた気がした。
顔を覆って泣いていて、運命に押しつぶされそうになっているその王女は…
「うん、わかった。じゃあ命令するから私のお願いを叶えて」
「なんなりと」
コハクはラスが何を思いついたのか気付いていたが、窓辺に寄りかかって腕を組むと、リロイとラスを見つめた。
恐らくこれが最初で最後の命令になるだろう。
白騎士をやめる決意はもう揺るぎなく、だからこそラスもリロイも最後だとわかっていた。
「ティアラの傍に居て。ティアラを守って。絶対離れずにティアラの結婚式まで守って。笑わせて、楽しませてあげて」
「畏まりました、命を賭してお守りいたします」
手の甲にちゅっとキスをしたリロイが立ち上がり様、こそりと囁いた。
「ラス…ありがとう」
「ううん、ティアラの“勇者様”がリロイなことを忘れないでね」
――世界が危機に立たされる時必ず現れるという金色の髪の勇者――
世界危機という規模ではないけれど、それでもティアラが窮地にあることは間違いない。
その窮地を救えるのは…リロイだけだ。
「小僧」
ドアに手をかけた時コハクが声をかけて立ち止まらせると、珍しく純粋な笑顔を浮かべた。
「お前が苦悩していた時、いつも傍に居てくれたのは誰だった?」
「…ティアラだ」
決まっている。
「大げさだよコー」
「そんなことねえよ!ちょっとでも体調がおかしかったらすぐ言えよ?な?」
「うん、ありがと」
にこーっと笑っているとドアをノックする小さな音がした後開き、いつも以上に真面目な顔をしたリロイが立っていた。
「リロイ?どうしたの?」
「ラス…僕に何か命令することはない?」
「命令?」
意味がわからずにきょとんとしていると、ラフな服に着替えたリロイはラスの前で片膝を折ると望みを懸けるような瞳でラスを見つめた。
「僕はまだ白騎士の立場だから、ゴールドストーン王国の王女の君の命令ならなんでも聴くよ。…僕になにかできることは?命令はない?」
じっと金色の瞳を見つめていると、その瞳の中に自分ではない王女の顔が見えた気がした。
顔を覆って泣いていて、運命に押しつぶされそうになっているその王女は…
「うん、わかった。じゃあ命令するから私のお願いを叶えて」
「なんなりと」
コハクはラスが何を思いついたのか気付いていたが、窓辺に寄りかかって腕を組むと、リロイとラスを見つめた。
恐らくこれが最初で最後の命令になるだろう。
白騎士をやめる決意はもう揺るぎなく、だからこそラスもリロイも最後だとわかっていた。
「ティアラの傍に居て。ティアラを守って。絶対離れずにティアラの結婚式まで守って。笑わせて、楽しませてあげて」
「畏まりました、命を賭してお守りいたします」
手の甲にちゅっとキスをしたリロイが立ち上がり様、こそりと囁いた。
「ラス…ありがとう」
「ううん、ティアラの“勇者様”がリロイなことを忘れないでね」
――世界が危機に立たされる時必ず現れるという金色の髪の勇者――
世界危機という規模ではないけれど、それでもティアラが窮地にあることは間違いない。
その窮地を救えるのは…リロイだけだ。
「小僧」
ドアに手をかけた時コハクが声をかけて立ち止まらせると、珍しく純粋な笑顔を浮かべた。
「お前が苦悩していた時、いつも傍に居てくれたのは誰だった?」
「…ティアラだ」
決まっている。