海上船内物語


「・・・・・悪者ぶる、だと・・・・・・?」


アキが不愉快に顔を歪め、カイルを見下ろした。



「アキ、は・・・・もっと、優し い‥・」


カイルが激しく咽込んだ。
それを、静かに見つめるアキ。



「・・・・・・フン、馬鹿にするな。俺は、今も昔も、何も変わらん」

「ア、キ・・・・・・」


アキは、踵を返し、部屋から出て行った。


「何て奴だ・・・・・・、」


シーザの声が部屋に響く。
扉をただ見つめるだけの、カイルの目が薄く閉じていった。







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