海上船内物語
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「・・・・・・なに、遂に現れたか」
「やっとのことでここに来たんだからさ・・・。何か言ったらどうなの?」
「おお、ご苦労なこった。それで?」
話を進めようとするアランの姿に、全身ずぶ濡れのアルは眉を寄せた。
「俺への労わりはないの?親父」
「だから、ご苦労だったと言ってるだろう。流石若さだよな」
にんまりとアランは笑った。
アルは溜め息をついて、話を続けた。
「三年前と、実力が全く違うんだ。たった、二人しか居なかったと思うよ。それなのに、俺の仲間皆殺られちゃった」
「二人、か。アキも居たのか?」
「あぁ。アキと、短髪の男だった。あっという間だったんだ」
「お前、よく逃げてきたなぁ。ガッハッハ!!」
アランが気前よく立ち上がった。