ラブハンター☆
「年下はもちろん上の人達だって一目置いてる。普段はクールでちゃんと周りが分かってて末端まで平等で、でも一回スイッチはいると誰よりもアツくて強くて……みんなの憧れだよ」
「そんなの……知らないよ」







私がいつも見てたのは、ぐうたらでものぐさでいい加減で女関係はチャラチャラしてて…………そんな太陽ばっかり見てたから。


ナンパから助けてもらった時も『R』から助けだしてくれた時も正直ドキッとした。戸惑った。
だって、真っ直ぐで物怖じしなくて勇敢で…そして二度も桜を助けてくれた。





-どうして助けてくれたの?-







-私のこと……好きなの?本当に?からかってるだけじゃなく?-






わからない。












「ったくアイツら目ぇ放すとすぐこれだ。これだから日頃から冷静になれって言ってんのに」






ぶつくさ言いながら戻って来た太陽。少し衣類が乱れてるところを見ると喧嘩の仲裁に入ったようだ。








「あ、太陽ほっぺ……」





左の頬に赤い筋。






「あ~……灰皿割れた破片飛んだだけ。何でもない」





グイッと手の甲で拭うと、武志に現場の片付け命じてる。





この人はいくら自分が傷ついても構わないのか。この前だってそう。手の傷ひどいのに助けに来てくれて無茶して……あの後悪化してたの隠してて、また病院に無理やり引っ張って行った。



結局傷が残った手。縫った跡が痛々しいのに、本人は全然気にもしていない。

そんな傷跡が無数にある体。
太陽は桜の知らないところでどんな生活を送っていたんだろう…………。







「何?そんなじっと見つめたら俺穴開いちゃうんだけど」






ウーロン茶のグラスを傾けながら視線だけ桜の方に向ける。






「なっ……見てないもん!」
「ふ~ん……」




< 31 / 32 >

この作品をシェア

pagetop