大人恋愛部
私たちと向かい合うようにして座った
三人の青年たち


美容師、会社員、販売員


にっこり笑って
友好的で親しみやすい彼らを前に


いつのまにか
まとっていた警戒心も薄れていく


私の空のグラスに反応したのは
先ほど私たちに声をかけてきた

美容師をしているという望月君


「何飲まれますか?」


「んー…ロゼかな。」

「はい。わかりました。」


すぐさま私の注文を
店員に伝える彼


美容師って言う職業柄か…
気配りが出来ている



届いたロゼを片手に
三人の青年達を見る


見るからに
年下…

武藤と同じか…
もしくは鮎川世代かな…


…どういうつもりで
私たちに声掛けたんだろう


何も考えてないのかな


その場のノリとか?



「…なんかすごく
視線を感じるんですけど?」



クスクスと笑いながら
望月君が言う


「え?あぁ…
ごめんなさい、不快な思いさせちゃったかな?」


「いえ。
でも、少し気になりますかね?」

と笑顔を見せる望月君

吊られて
私もついつい頬が緩んだ
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