Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
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「昼飯…簡単でいいだろ?」
「はい」
車が止まったのは、お蕎麦屋さん。
「此処の蕎麦は美味い」
「へぇ~」
お店に入り、お蕎麦を注文する。
確かにお客さんが多いわ。
「いただきます」
「……」
相変わらず 無言。
一口食べて
「美味しい」
「だから言ったろ」
エラソーに言われた。
「ごちそうさまでした」
「……」
やっぱり 無言。
挨拶したら損とか思ってんのかしら。
「ん?」
「えっ?」
「何か言いたいことでも?」
「滅相もない」
「はぁ?」
「へっ?」
会話が成立してない。
「クッククク…」
「フフフ…」
二人して笑っちゃった。
「何処か行きたいとこあっか?」
行きたいとこって…この辺知らないし。
「ドライブ」
「ん。それでいいのか?」
「はい。この辺分かんないし」
「そっか。じゃあ走りながらいい所あったら行くか」
「はい」
「ん?何を笑ってんだ」
「えっ、あ、いや、何かデートみたいだなって」
「お前は馬鹿か。みたいじゃなくてデートだろ」
へっ、 デート?
デートなの、これ?
「何、顔赤くしてるんだ?」
「……」
ニヤリと笑い
「恥ずかしいのか」
「……」
「人生二度目のデートだもんな」
「社長!」
「ん?」
「大きい声で言わないで下さい」
「クククク…そりゃ悪かった」
悪いなんて思ってないくせに
「そろそろ行くか」
「はい」