Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
車を走らせて
「そういや熊五郎」
また熊五郎?
「持ってきてないけどいいのか」
「そ、そんなに拘ってないです。そ、それに」
「ん?」
「あ、いえ何でも」
口が滑った。
「言ってみ」
「……」
「ん」
答え分かってて聞くんだもん。
ほんと、意地悪だ!
「し、社長が」
「ん 、俺が」
顔が笑ってるし。
「早く言えって」
「し、社長が…熊五郎の代わり…してくれてる…から」
めっちゃ恥ずかしい。
俯いてしまう。
「クククク…光栄な事だな」
社長の右手が伸びてきて、私の手を取り唇に持っていく。
手、手にキスされたよ~
「俺の方が熊五郎よりいいだろ」
「……」
「ん?」
「社長」
「ん?」
「は、恥ずかしいです」
「恥ずかしいか」
「はい」
握ってた手を離し首に回った。
「し、社長…危ないです」
「大丈夫だ」
「し、社長」
「何だ?社長社長と煩いな」
「こ、こそばいです」
社長の指が私の首を撫でている。
「お前は…ほんとに」
「女です」
「……」
前も こそばいって言ったら『お前は女か』って言われたもん。
「ハハハ…女だな」
「はい」
「ハハハ…」
首から手を離してくれた。