ガラスの十字架【短編*完結】
僕は従業員入り口の扉をくぐり、せれなさんを中へ引き入れた。
そして、
急いでその扉を閉めた。
この扉は閉めてしまえば、従業員専用の暗証番号をうちこまない限り外からは開かない。
……あの男は、
追っては来られない。
『……はぁ、はぁ………。』
僕とせれなさんは息を整えた。
高鳴る心臓と……
繋いだ手の体温を感じたまま
僕と彼女はまた、
視線を重ねる。
『……どうして?』
小さな声で、せれなさんは呟いた。