好きとごめんのその先に
―――結局、忠見さんはその後すぐに帰った。
『これから仕事が早く終わった日はこっちに来させてもらうよ』って、そう言い残して。
…放課後が憂鬱だ。
「奏多」
帰ろうとする奏多を、門のところで引き止めた。
「…いろいろとごめんね」
「はは、俺のことは別にいいよ。大変なのはゆりちゃんの方だ」
立ち止まり、笑ってそう言ってくれる奏多。
…なんて、優しい人なんだろう。
歳下なのに、わたしよりも広い心をもっている。
例え本心じゃなかったとしてもこんな言葉が出る奏多を、心から尊敬する。
「奏多。…お誕生日おめでとう」
遅くなった言葉を、奏多の目を見つめて贈った。