Re:alism
「痛…は?何これ。毒入れてんじゃないの?」


「あ?そんなん入れてねぇし。どんだけ被害妄想だよ」



誰のせいだよ。


「あんたがそういう奴だからでしょーが」



「えー?嘉一と美ちゃんって付き合い長いんだ?」


斜め向かいに座っている長い茶髪の女が身を乗り出す


「えっ…小学校同じだったってだけで…」


「そー。そん時からこいつこんなチビで」


「っさい!さっきから人のことチビチビって…」



確かにあれから5センチしか伸びてないけどッ


毎年身体検査のとき1年に1センチ単位でしか変わらないモドカシさが分かってたまるか!!



「てことで飲め!」


「は?意味分かんな…ブッ」


了承した覚えもないのに、無理矢理その液体を私の口に流し込んだ。



色を見れば誰でもオレンジジュースだと思うだろうに…


せめて許されるのは炭酸くらいなのに、入っていたのはアルコール。


「何これ…私まだ未成年なんだけど?!」


「知ってる。俺も未成年だし。」



正面を見たら万里も普通に飲んでいる。


「万…」



…あれ?


何か目の前がボヤけて…



────10分後



「アハハッ何だそりゃ───♪」


バシバシッ


「痛っ…てか美ちゃん酒癖悪!大丈夫かよー」


「あー美お酒飲んだことないから。」


「万里言うの遅っ!てか誰だよ飲ませたのー」


「はーい俺。てことで責任持ってコイツ送り届けまーす」


「よろしくー」



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