Re:alism
────あれ?


何かフワフワする…



「…れ?ここは…」


それもオリーブじゃない


何か人が見てる


ゆらゆら、移動してる…


…てか高い!!



「やっと起きたかよチ美」


すぐ下から栃村の低い声


そして、やっと栃村におんぶされているということに気付いた。



「とつむらー…」


だが動くことは愚か、上手く言葉も発せられない


さっきのアルコールがまだ体内を駆け巡っているせいだろう



「誰がとつむらだ。てか重い。」


「万…里ィはー?」


「万里ちゃんはまだ店だよ」


「何で…外歩ぃてんー…のー?」


「お前の酒癖悪ぃから帰ってんだろーが。」


「だぁれがっ…飲ませたーだっつぅの…」



そして着いたのは公園。


入口手前のベンチに乱暴に私を下ろした。


「痛ー…タタ…」


その隣に座る栃村



「あー疲れた!チビのくせに無駄に重いなお前」


「るせー…てぇか…別に万里とぉ帰れたぁ…のに…」


「万里ちゃん?今日はあつン家泊まるはずだけど」


「…へ?泊ま…るぅ?」



「そう。…んで、どんなことすると思う?」


「どんなぁ…ってぇ…?」



もしアルコールがない時に同じ質問をされてたら、この瞬間に逃げ出していただろう



でも今の私にはそんな思考力も行動力もなくて、ただ意味を理解することだけに意識を集中させていた。


「どんな…───トリャンプ?でも喉渇く…からぁ〇×△□※…」


自分でも何を言っているのか分からない。



「楽しいことだよ」


「…のしぃこ…ぉ?」


「そう、楽しいこと。…俺達もする?」



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