Re:alism
今の私にとっては、全てがもう楽しかった。


それに意味の分からないそれに、ただ“楽しい”という言葉に強い好奇心しか湧かない



────警戒心すらない、無防備な私。



そしてそんな私に伸びてきた手───



「…ひゃっ?!」


スカートを無視して素肌を触る大きな手


外の寒さと比例して冷たいその手は、段々と上に滑るようにして上がっていく。



「ちべたー…びっくりちたー」



未だに状況を把握していない私



そしてもう片方の手は、制服の中に入ってきた



───きっとこの公園に誰かいたなら、私達が何をやっているのかすぐに分かるだろう


出来れば止めてほしかった…



「…楽しーィ?」


「まだ…これから」



段々と顔が近付いてくる


「そぉな…─────っ!?」



口を開いた瞬間

突然被さるように私の無駄な口を塞ぐ。


あまりの苦しさに肩を叩いたが、腕を掴まれ完全に自由を失った


酔いもあり、抵抗する力が湧かない



そして─────



私の全てが奪われた


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